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事業承継 名義株式の注意点

事業承継

事業承継の中でも、株式の承継は企業の持続的な成長と発展にとって重要なイベントの一つです

この記事では、名義株式についてよくある失敗事例の中から特に気をつけるべき点をお伝えし、対応策についても触れてみたいと思います

名義株式とは何か?

名義株式とは、株式の名義人が実際の株主と異なる形態の株式のことを指します

簡単にお伝えすると、会社を設立する際などに多いのですが、会社に出資をするためのお金を出した方と株式の名義人が異なっているケースということになります

例えば、経営者の方が「自身の子供や親族の名義で株式を保有している」場合などが名義株式の事例です

金融機関の取引事例で例えると、昔多くあった「名義預金」に近い考え方です

事業承継の相談を受ける際には必ず株主についてヒアリングをします

株主との関係性をオーナーへ確認してみると「よくわからない人物」や「名義株主の可能性が高い・・・」など、主要株主でも把握が困難な株主が存在する場合が多々あります

これまで相談を受けてきた会社の中では、業歴が35年以上ある(令和6年7月の時点)会社の場合、株主が複数名に分散していることが多いです

株主が多い会社ですと、親族だけでなく従業員や取引先など100名以上に分散しており、今後も相続が発生するたびに増え続け・・・なんていう会社も普通にあります

実は、旧商法が改正される前(平成2年以前)に設立された会社は、「発起人(出資者)が7名以上必要」であったため、発起人(株主)の頭数をそろえるために、「親族や友人などから名前を借りて会社を設立する」ことがありました

名義株式の場合は、名前を貸しているだけですので、出資金は他の方(会社のオーナー)が出していることになります

ですので、株主が複数名に分散しており、不明な株主がいる場合は、株主の変遷から辿って関係性などを調べる必要があります

また、法人設立時には、原始定款(一番初めに作成される定款)へ発起人を記載する必要があります

ですので、設立当時の出資者を調査するためには、原始定款の発起人から株主の変遷を確認しておくことも必要となります

今となっては信じられないことかも知れませんが、これまで一番驚いたケースは、「発起人の名前が実在しない人物(実際は初代社長のペット犬の名前とのこと・・・)」となっているなんてこともありました・・・

放置しておくとどうなる?

それでは、名義株式をそのまま放置しておいた場合、どうなるのでしょうか?

これまで名義株主に対してどのように接してきたかにもよりますが、何もしなければこれから株式の承継を検討する際に円滑な事業承継ができず、変更手続きにかなりの時間と労力が必要となる可能性があります

また、名義株式では、実質的な株主と名義人が異なるため、経営権の所在が不明確になる問題から、経営者の意図と異なる形で経営権が移転してしまう可能性があり、事業の継続性が脅かされる可能性があります

税務上では、名義株式に関する税務上の取り扱いが曖昧であるため、相続税や贈与税の申告漏れ、更正処分などのトラブルに巻き込まれる可能性があり、税務当局による厳しい指摘を受ける可能性が高いです

加えて、名義株式の存在が株主間の信頼関係を損ねることもあり、経営者の意図が不透明であったり、株式の実質的な所有関係が不明確だと、株主間の対立を招く可能性もあります



 万一、真実の株主と名義株主とで株式の所有者争いが生じてしまった場合は、現在の判例法上は実際に払い込んだ者(真実の株主)を株主として取り扱うことになります

ですが、実際は払い込んだ資金のほか、名義株主と真実の株主との関係性や、会社との関係性、配当の取扱い等、具体的な事情を総合的に考慮して判断することになります

ですので、名義株主と関係のある方の証言等が多く存在しているうちに対処しないとスムーズな名義変更がますます難しくなってしまいます・・・

株式名義の変更方法は?

名義の具体的な変更方法は、名義株主から「名義変更に係る同意」等をとりつけ、株主名簿の記載を変更しておけば完了します

ですが、万一名義株主に対し配当を行っている場合は、「真実の株主」と見なされ、そもそも上記のような名義株であることの証明も難しくなります


その際は、それでも当事者が合意すれば名義変更は可能ですが、その際に贈与税等の税金が発生する場合がありますので、税理士等の専門家に相談いただきながら、対応を検討する必要があります

失敗事例のご紹介

では、これまで実際に関与してきた名義株式に関連する事業承継の失敗事例を3つご紹介していきたいと思います

【事例①】税務当局の指摘を受けた失敗事例

・経営者のA社長は、自身の株式を従業員の名義で保有していた

・その後、税務当局による実態調査の結果、A社長に対して贈与税の追徴処分が下され、A社長は多額の税金の支払いを余儀なくされ、事業継続に悪影響を及ぼす事態となった

【事例②】争族に巻き込まれたふ失敗事例

・創業50年以上になるとあるメーカーの創業者は株式の過半数を保有しており、自身の株式を子供の名義で保有していた

・創業者が亡くなった後、子供たちの間で株式の帰属先をめぐる争いが勃発し、裁判沙汰となり、数年にわたる紛争で会社の経営が混乱し、ついには資金繰りに行き詰まり、倒産に至ってしまった

【事例③】株主間の信頼関係が損なわれた失敗事例

・創業者であるB社長は、自身の株式の一部を従業員に名義変更していた

・その後、従業員の一部が勝手に株式を売却してしまい、創業者はこれを知らされておらず、株主間の信頼関係が壊れてしまった

・結果として、従業員による経営陣の刷新などの動きが起こり、会社の経営が混乱し、実質のオーナーが変わる事態となった

どう対処したらいいの?

上記の失敗事例のような過ちをしないようにするためにはどうたらいいのでしょうか?

冒頭でもお伝えしましたが、まず一番最初にすべきことは、「名義株式の実態を正確に把握する」ことです

その後、真実の株主へ名義を変更する際は、名義株式に関する税務上の取り扱いを確認し、必要に応じて税理士などの専門家に相談するなど、適切な対策を講じる必要があります

また、名義株式の存在によって株主間の信頼関係が損なわれないよう、経営の透明性を高め、株主間のコミュニケーションを密に取っておくことも大切です

自社株の承継において、名義株式に関する問題は経営において深刻な影響を及ぼす可能性も秘めていますので、特に注意が必要です

上記の失敗事例を参考に、事前にしっかりと対策を立てることで、円滑な事業承継ができるようになります

まとめ

この記事では、名義株主がいる場合のリスクや注意点及び対応策についてご紹介してきました

名義株主がある場合は、先送りせず後継者への承継前に専門家への相談を早めにしておく必要があります

過去の相談では、名義株主が数名いるだけで、何年も対応や交渉に時間を要したケースもありました

後継者が気持ちよく事業に専念できる環境を構築しておくことも、事業承継を考える上では重要なことです

最後までお読みいただきありがとうございました❗️

これからも皆様の事業承継が成功するための情報発信を継続していきますので、よろしくお願いします‼️

おわりっ

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